これは嵐山の桂川に生きる動物たちの物語である。
『ねえ、みんな早く集まってちょうだい!』 『食事がすんだ人からあつまってね!』
『こんなふうに羽ばたくってのはどう?』 『そうね!みんなで一斉にやったらカッコいいかも!』 『それだったら、もっと離れないと。』 『そうねえ、隊列が横長になっちゃう!』
『う~ん、2メートル間隔に並ばないと羽がぶつかっちゃうわねえ!』 『そんなことしたら渡月橋までとどいちゃうわ!』 『それ、まずいわ!』
『でも、私達が一番美しく見えるのは羽ばたいている時でしょ?』 『そうよ、そうよ!』「まあ!お上手!とっても素敵よ!』
『ねえ、ねえ、あの人達こっちを見てるわよ。』 『かまわないわ。あのオオバン達はいつも食べることに夢中じゃないの。それより縦列になるってのはどう?』
『おい、僕らのこと噂してるぞ。』 『ほっとけ!住む世界が違うんだから。』 『なんでも、今度水上舞台で踊るらしいよ。』 『へえー!そりゃすごい!』
『ハーイ!皆さん!今日はチューサギの私がコーチよ!そっちの子達もみんないらっしゃい!』
『ハーイ!』