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遺伝子は、変えられる。 あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実 [ シャロン・モアレム ]

価格:1,944円
(2019/5/6 20:08時点)
感想(2件)

このサイトは頭の良くない私のための学習ノートであり、また忙しくて気になりながらも本を読んでいる暇もない(かつて私もそうだった)あなたの為に、綴ったノートです。今「遺伝子治療、遺伝子キット、遺伝子組み換え食品」などと大変「遺伝子」が大モテの時代になり、人類階層の頂点にいる金持ちはなお金持ちになろうと根こそぎこの「遺伝子」産業に投資しています。

この『遺伝子は変えられる』という本は、これまでなかった「正しい遺伝子の知識」を与えてくれる本です。3000年紀の産業は「遺伝子」と「人工知能」がタックルを組みすべての産業を支配する時代になるでしょう。

この本を出版して下さった出版社に感謝しながら、まず手始めに❝遺伝子とは何か❞を知るためにこの本から始めてみましょう。分かりやすく、面白く、「遺伝子」に対するこれまでの間違った捉え方を諫めてくれる本です。
この本には沢山の病名、遺伝子番号、遺伝子の働き、化学物質名などが出てきますが、そのまま転載します。(それぞれの着色は分かりやすくするために私の方で施したものであり、青色の文章は私の感想です。)

第3章 運命を変える「遺伝子スイッチ」

―トラウマ、いじめ、ローヤルゼリーが導くエピジェネティクスの話―

《ミツバチと人間が共有している「ローヤルな遺伝子」》

遺伝的に言うと、女王蜂は特別でも何でもないのだ。女王蜂とそのメスの働き蜂の両親は同じで、DNAもまったく変わらない。にもかかわらず、両者の行動学的、生理学的、そして解剖学的な違いには、はなはだしいものがある。ではなぜ違うのかと言うと、女王蜂になる幼虫の方が、いいものを食べているからだ。ミツバチが食べているエサが、遺伝子の発現を変えるのである。

新しい女王蜂が必要だとコロニーが判断すると、運のよい幼虫が何匹か選ばれ、ローヤルゼリー漬けにされる。ローヤルゼリーは当初全ての幼虫に与えられるが、働きバチは直ぐに「離乳」させられる。けれども小さな王女たちは食べて食べて食べまくり、ついには高貴な血を引く優雅な女帝に育つ。そして姉妹を皆殺しにした最後の一匹が女王蜂の王座を手にするというわけだ。

地球に暮らすあらゆる生物と同じように、ミツバチも多くの遺伝子配列を他の生物と共有している―僕ら人間とも。そうした共有コードのひとつが、DNAメチルトランスフェラーゼ、すなわちDnmt3(ディーエヌエムティー・スリー)のものだということだった。これは哺乳類においてもエピジェネティクスの仕組みにより特定の遺伝子の発現を変えることができる物質だ。

研究者たちが化学物質を使って、数百匹の幼虫のDnmt3を遮断すると、幼虫は皆女王蜂になった。別のグループではDnmt3を元のようにオンに戻すと、幼虫は皆働きバチになった。予測に反し、女王蜂は働きバチより何かを多く持っているというよりも、何かを少なく持っていたのだ。ローヤルゼリーはミツバチを働きバチにする遺伝子を抑える働きをするらしい。

♥とても面白いので、ほぼ全文を載せました。「遺伝子発現」については私の「遺伝子は生命の設計図ではない」を参考にして下さい。

《ほうれん草で遺伝子のコードが書き換わる⁉》

ほうれん草の葉にはベタインと呼ばれる化合物が多く含まれている。ベタインは自然界や農地で水不足、高い塩分濃度、極端な気温といった環境的ストレスと戦う植物を助けている。一方、人間の体内では、ベタインは遺伝子コードに影響を与える一連の科学的連鎖反応の一部である「メチル基供与体」として働く。オレゴン州立大学の研究者たちは、ほうれん草を食べる人の多くにエピジェネティクスな変化が生じ、その変化は、調理肉の発がん性物質がもたらす遺伝的突然変異と戦ううえで、細胞を助けることを発見した。実際、研究者たちは実験動物の研究で結腸腫瘍の発生率を半分にまで抑え込むことに成功している。ごく微妙だが、とても重要な方法で、ほうれん草を食べればあなたも遺伝子そのものの発現が変えられるらしい。

《あなたに効くダイエットが事前にわかる?―遺伝子スイッチ「メチル化」》

遺伝子発現の変化は、「メチル化」と呼ばれるエピジェネティクなプロセスを経ることによってよく生じる。遺伝子をオンやオフにするメチル化の「標識」は、がんや糖尿病や先天性欠損症を引き起こしかねない。とはいえ絶望する必要もない。メチル化は僕らにより良い健康と長寿をもたらす遺伝子の発現にも影響を与えるからだ。

近年、メチル化のようなエピジェネティックな改変は、驚くほど簡単に起こることが急速に分かって来た。

チューリッヒの科学者たちは、マウスで「幼児期のトラウマが遺伝子の発現に影響を与えるかどうか」の研究を行った。生まれたばかりのマウスを3時間母親から引き離した後で戻し、それを2週間続けた。その後大人になったマウスは、2週間にわたって辛い思いをしたために、はっきりした適応障害のある小さなネズミに育ってしまった。とりわけ潜在的に危険な場所を察知することが苦手なようだった。困難な状況に置かれるとそれに立ち向かったり、方策を考えたりする代わりに、すぐにあきらめてしまうのだ。

だが、本当に驚くべき事実は、その小さなネズミたちはこうした行動を自分達の子供にも、そしてその子孫にも受け渡したのだ。ある世代が経験したトラウマが2世代後にも遺伝的に存在していた、という事だ。

マウスのゲノムは人間のものと99%同じであることを指摘しておきたい。そしてこの研究で影響を与えていた遺伝子Mecp2(メックピー・トゥー)とCrfr2(シーアールエフアール・トゥー)は、ヒトにも同じく見出される。

「俺達、君等のなんなのさ?」

【この章で取り上げなかった興味が湧く他の項目】

  • 同じDNA、違う生き物、その差は?―エピジェネティクス入門講座

  • いじめのトラウマは遺伝子をも傷つける

  • 9・11が刻み込んだ「傷」は、次の世代にも引き継がれるのか?

  • 遺伝子に良いインパクトを与える人生を

第4章へつづく

『遺伝子は変えられる』から
2019-02-18 lucy.in.the.sky

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